1章  炭素姫が身の上を語る

地球誕生の頃、大気の97%はCO2が占めていた

私たちの困惑をよそに、炭素の化身と名乗った少女は、炭素族の歴史を静かに語り始めた。
―地球が誕生した約46億年前、私たち炭素族は大気中のCO2として存在していました。当時の地球は岩石が溶けてマグマの海となり、地表は火の玉のように燃えていました。原始地球の大気組成は海水となった水蒸気を除くと、約97%をCO2が占めていました。現在の金星(大気に占めるCO2の割合は97%)や火星(同95%)と同じような状態だったのです。
それから驚くほど長い歳月が過ぎました。地球上に初めて生命(生物)が誕生したのは、今から約38億年前です。海が生まれたのが40億年前と推定されていますので、海の誕生から間もなく、といっても人間の時間から言えば、2億年というとてつもない長い年月になりますが、やがて生命が海の中から生まれました。
地球の状態も大きく変わりました。地球誕生当時、火の海だった地球は少しずつ冷え始め、大気中にあった水蒸気が雨となり地表に降り注ぎ、海ができました。大気中のCO2は雨と混ざって大量に海水に溶け込み、炭酸カルシウムの塊(石灰岩など)となって、海底に沈殿し堆積していきました。一方、海中で誕生した生物は、約30数億年という長い年月をかけて、海の中で進化を繰り返してきました。この進化の過程で、海中に大量に溶け込んだCO2は貝殻や珊瑚の骨格などに姿を変えて、静かな眠りに就きました。
生物が海から陸へ移動を始めたのは、今から約4億7000万年前にさかのぼります。まず植物から上陸が始まり、動物も含め本格化してくるのが4億2000万年前頃からです。この頃になると、大気中のCO2の割合も数%程度まで低下します

私たちは石炭、石油に姿を変えて長い眠りに入った

陸上に進出した植物は、盛んに光合成を行い、約2億年の歳月をかけて、大気中のCO2をどんどん吸収していきました。2億年前には大森林時代を迎え、シダ類などの巨木が群生し、大気中のCO2を大量に吸収し、固定化したため、大気中のCO2濃度は、産業革命前の0.03%(300ppm)に近い水準にまで低下しました。一方、大森林時代には樹木などの風化作用によって大量の土壌が形成され、多くのCO2が大地にも蓄積されるようになりました。やがて、巨木の多くは、地中に埋もれて、石炭に変化しました。一方、数億年前の海では、魚介類や海草類、プランクトン類などの様々な生物の死骸が化学変化によって、石油に姿を変え、海底深く蓄積されました。
このように長い地球進化の過程を経て、大気中のCO2として存在していた私たち炭素族は、その大部分が石炭や石油、天然ガス、石灰岩などに姿を変えて、永い静かな眠りについたのです。

産業革命で永い眠りを破られる

私たちが、深い眠りから揺り起こされたのは、18世紀後半、イギリスで始まった産業革命の頃です。産業革命で人間の世界が急に騒がしくなりました。産業革命までの地球はとても静かでした。人々は農業を中心とした仕事に従事し、大気中のCO2濃度は増えも減りもせず安定していました。しかし、産業革命はそれまでの静かな世界を一変させてしまいました。人力や牛馬などの畜力に頼ってきた力仕事を蒸気機関が代ってするようになったのです。この結果、それまで手作業で作ってきた製品を機械で大量に作れるようになりました。生産性は、それまでの百倍、千倍、万倍にも向上しました。



彼女の口から産業革命という言葉が飛び出したのを聞いて、私は、経済学者のアダム・スミスが国富論(1776年刊)の中で、その当時の変化をビビッドに描いているのを思い出した。
不慣れな労働者だとピンを作るのに一人で一日1本しかできなかったのが、作業を18工程に分業し、10人で取り組めば一日で4万8千本、一人当たり4800本の生産が可能になると指摘している。製造工程を分業化し、機械化することで、大量生産が可能になり、経済活動は飛躍的に拡大した。大量生産を可能にしたのが蒸気機関の発明で、それを動かすエネルギー源として、地中深く眠っていた石炭が、燃料として利用されるようになったのである。
私がこんな解説をすると、少女は大きくうなずき、
「その通りですね。私たち炭素族は静かな眠りから揺り起こされましたが、それでも私たちが人間社会のお役に立つのなら、喜んで協力しようと、その時は思いました」と言った。

ペリー提督の蒸気船、浦和沖に来航

私は、イギリスの産業革命から始まった経済の近代化に改めて思いを馳せた。
蒸気機関は、紡織機などの他に、瞬く間に製鉄、さらに蒸気機関車(鉄道)や蒸気船などに使われるようになり、石炭需要は爆発的に拡大した。イギリスの製鉄の場合、石炭が登場する前は、木炭に頼っていた。大量の木材が必要だったため、過剰な森林伐採が続きイギリスでは森が急減し、燃料不足でイギリス国内で鉄の自給ができなくなった。その結果、当時、鉄使用量の3分の2を輸入に頼っていたが、石炭の利用で再び、鉄の国内自給が可能になり、高度鋼などの製造が急速に進歩した。イギリスでは、石炭を掘るために労働年齢に達しない幼い子供が長時間、炭鉱で働かされるなど社会問題にまでなった。このような問題をはらみながらも、世界の工場としてイギリスは飛躍的に発展したが、それを底辺で支えたエネルギーが石炭だった。
イギリスから始まった産業革命は19世紀には世界中に広がった。江戸時代末期の1853年、鎖国の日本に、突然、アメリカ東インド艦隊提督のペリーが軍艦4隻を率いて浦賀沖に来航し、開国を強く迫った。この時の軍艦が蒸気船で、当時の日本人は黒船と呼び恐れおののくとともに、巨大な蒸気船を前に、開国以外の選択がないことを悟った。
当時、「泰平の眠りをさます上喜撰(蒸気船)たった四はいで夜も眠れず」という川柳が流行ったそうだが、その驚き振りが目に浮かぶ。
蒸気船に代表されるこの時代の経済発展には、石炭が大きな役割を果たした。「石炭様様(さまさま))」の時代でもあった。

20世紀は石油文明の時代

 20世紀に入ると、石炭に代わって石油の人気が高まった。そのきっかけをつくったのが、アメリカの自動車王、ヘンリー・フォードの登場である。フォードは1908年にT字型フォードの生産を発表した。当時、一部の裕福な人しか買えなかった自動車を一般大衆にも買えるようにしたいという信念で、1913年に低価格自動車を大量に生産するため、分業体制を徹底させたT字型乗用車の組み立て工場を完成させた。デザインも極力シンプルにした。この結果フォード社は、23年までに年産200万台を実現させた。20年代に入ると、GMが「いかなる予算にも、いかなる用途にも」を掲げ、フォードを急追し、アメリカ経済は石油(ガソリン)と自動車を両輪にして目覚しい発展を遂げる。自動車が走るための全国道路網の整備、ガソリンスタンドの設置、郊外住宅の建設ラッシュ、ショッピングセンターなどの普及に伴って、モータリゼーションのうねりに弾みがついた。火力発電による送電網の整備を背景に、家庭の電化も急速に進み、大型冷蔵庫、洗濯機、テレビの普及率も短期間に上昇した。豊かな社会の象徴である「アメリカン・ウエイ・オブ・ライフ」は世界の人々の羨望の的になった。
第二次世界大戦後は、「アメリカに続け」を合言葉に、ヨーロッパや日本がアメリカ型の大量生産方式を取り入れ、自動車、造船、各種機械、石油化学、家電、エレクトロニクス、コンピューター、IT(情報技術)など幅広い産業分野が短期間に発展し、先進国を中心に20世紀の繁栄がもたらされたが、それを支えたエネルギーが石油だった。石炭に代わって「石油様様」の時代がやってきた。

人間活動に伴う温暖化への懸念強まる

特に、20世紀後半の半世紀は、石油に支えられた繁栄がピークに達した時代である。「膨張の時代」がやってきたのである。1950年から2000年までの50年間に、世界人口は2.4倍も増加し61億人に達した。世界GDPもこの間に、8.1倍、石油の年間消費量も7.3倍に増加した。このわずか50年の間に、人類が消費してきた木材や金属などの様々な資源の8割近くが集中的に消費されたと言われる。人口増加を支えるためには経済発展が欠かせないし、経済発展のためには石油が必要である。人口、GDP、石油の三者が一体となって増え続ける膨張の時代の到来だ。人口とGDP、石油の切っても切れない密接な関係(カップリングの関係)は20世紀の間ずっと維持されてきた。しかしこの蜜月関係に赤信号が点滅するようになった。
21世紀に入る前後から、人間の経済活動が原因で地球温暖化が起こっているのではないかという疑問が世界の多くの科学者の間から発せられるようになった。

厄介者にされてしまった私

「その頃から、CO2は人間社会のお荷物、厄介者、悪役扱いされるようになりました」と少女は、少し寂しげな表情になって言った。
国連を中心に地球規模で温暖化対策が本格的に動き出すのが、92年6月、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開かれた「地球サミット」(環境と開発に関する国連会議 = UNCED)からである。
97年には京都でCOP3(気候変動枠組み条約第3回締約国会議)が開かれた。この会議で初めて、CO2の排出削減問題が大きく取り上げられた。産業革命以来、ほぼ250年、人類は化石燃料依存で、経済を発展させてきたが、そのやり方が地球温暖化を引き起こすという致命的な欠点があることがわかったのである。
天動説から地動説に変わったような世界観の大転換である。「化石燃料様様」の時代から「石炭や石油はできるだけ使うな」という「脱化石燃料」へ向け大きく時代が動き始めたのである。
COP3では、「地球温暖化の原因は先進国の急速な経済発展が原因だから、まず先進国が率先して削減目標を定めて実行すべきである」と途上国側が強く主張した。その指摘はもっともな事なので、京都議定書は先進国だけがCO2の排出削減の義務を負うことになった。

途上国の排出量も急増

CO2の大量排出が問題視されるようになった90年代は、世界経済にはもう一つ大きな変化が起こってきた。戦後長い間にらみ合いを続けてきた米ソ冷戦時代が終わり、旧ソ連・東欧圏が西側の自由経済圏に一斉に加わった。しかもこの頃から、中国や韓国、台湾さらにシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアなどの東南アジア諸国・地域が経済の勃興期を迎えた。世界経済は一気にグローバル化の時代を迎え、経済拡大に弾みがついた。特に、中国を中心とする東アジア地域の発展を追いかけるように、人口大国のインドの経済発展も加速してきた。
その結果、途上国が排出するCO2排出量は、無視できない規模にまで膨らんできた。90年当時の世界のCO2排出量は、アメリカ、EU、日本、カナダ、ロシアなど先進国だけで60%近くを占めていた。ところが、07年になると様子が大きく変わってくる。まず世界最大のCO2排出国がアメリカから中国に移った。インドも排出量を増やしている。このため、今日では途上国と先進国の排出量がほぼ半分ずつの状態になってしまった。途上国の排出量はこれからさらに増え続け、数年後には確実に先進国を上回ることになる。先進国だけではなく、途上国も排出量の削減に取り組まざるをえない状況になってきた。

2050年までにGHGの排出量を半減しないと大変なことになる

世界の科学者たちは、温暖化の被害をなるべく少なくするためには、温度の上昇率を産業革命前と比べ、2°C 以内に抑えることが必要だと指摘している。そのためには、50年までに世界のCO2の排出量を現在の半分以下にする必要がある。そのためには、先進国は20年までに90年比で排出量を25〜40%減らすことが望ましい。そして50年には80%以上の削減が求められている。当然、途上国も排出量を削減しなければらない時代になった。
国連が中心になって、世界のCO2削減のための国際会議が何度も開かれたが、途上国と先進国の対立は深まるばかりで、解決のメドが見えていない。その間にも、CO2は毎年着実に増え続け、危険領域に近づきつつある。なんとかCO2の排出量を抑えて温暖化の被害を避けなければならない。
「今回、私たちが炭素族の代表として人間社会にやってきたのは、なんとかCO2の大量排出を抑えて、昔のように人間社会から感謝される存在に戻りたいと訴えたかったからです」と少女は少し頬を紅潮させながら言った。

炭素は燃えると、温暖化モンスターに変身する

少女はさらに続けた。
「CO2温暖化の元凶として非難をあびるようになったのは、私たち炭素族の特異体質に原因があるのかもしれません。炭素(C)は酸素と結合して燃えると質量の大きなCO2になり、デブデブの醜い姿になってしまいます。CO2温暖化モンスターなどと非難されるのは私たち炭素の宿命です」

石油や石炭が燃えると大気中の酸素と結合してCO2に変わることは、高校の理科の教科書で習って知っている。その時は、あまりに当たり前の化学変化なので、特に気にも留めなかったが、いま、彼女が言っていることは、そのことに関係しているように思えた。
炭素が地中深く安らかな眠りについている間は特に問題はない。だが、地上に掘り出され、燃料として使われると、酸素と結び付いて温暖化を煽る醜い魔女に変身する。地中深く静かに眠っている炭素族をそのままそっとしておいてやるのが望ましいが、人間社会の幸福のためには炭素の利用も必要だ。問題は炭素を使うのが悪いのではなく、温暖化を促進させてまで過剰に炭素を使い続ける、その使い方にこそ問題があるのではないか。
「彼女が言いたかったことは、きっとこのことだ」と私は思った。
化石燃料に含まれる炭素の割合は、原料炭原油では約7割、コークスなら9割弱、ガソリンの場合は6割強、天然ガス5.5割などとなっている。
それでは、炭素が燃えると、なぜ、「温暖化モンスター」に変身してしまうのか。モンスターとは、怪物、化け物、途方もなく巨大なものと辞書に書いてある。炭素の原子量は12、これに対し酸素の原子量は16だ。炭素が酸素と結合してできるCO2の質量は、44になり、炭素単体の質量(12)の約3.7倍になる。炭素がCO2に変身すると、その体積が4倍近く膨らんだ温暖化モンスターになってしまう。少女が言いたかったのは、そのことではなかったのか。
「確かに」と言った表情で少女は私の説明に黙って頷いた。
たとえば、炭素1トンを燃やすと、約3.7トンのCO2モンスターが大気中に飛び出す。このCO2モンスターが増え過ぎると、地球温暖化を加速させてしまう。
大気中に排出されるCO2量が、森や海、大地など自然の吸収源の中に収まっていれば問題はない。しかし、CO2が激増し、自然の吸収力の限度を超えて大量に排出されると、行き場がなくなったCO2は大気中に一方的に蓄積されるようになる。

自然の吸収量の2倍以上のCO2が排出されている

人間活動によって、1年間に世界で排出されるCO2の排出量(2000年〜05年の平均)は、約72億トン(炭素換算、IPCC 第四次評価報告書)だ。一方自然の吸収量は海が22億トン、森などの陸上生物圏が9億トンで、合わせて31億トンである。残りの41億トンは大気中に蓄積され、CO2濃度を増加させている。温暖化をストップさせるためには、世界のCO2排出量を31億トン以下に抑えなければならない。しかし現状は逆でCO2の排出量はさらに増え続けている。削減のための思い切った対策が実施されなければ、20年頃には90億トン、30年頃には100億トン、さらに50年頃には120億トンを超えてしまうという試算もある。そうなれば、地表の温度は、産業革命前と比べ、2°C 以内に止めることは不可能になり、3°C を超え、4°C 、5°C と上昇し、気候変動に決定的な悪影響を与えることになる。IPCCが求めているように50年までに排出量を現在の半分まで低下させることは、並大抵のことではない。だがこの課題を乗り越えない限り、気候変動を安定させることはできない。

炭素姫との別れ

炭素の化身と名乗った少女は、最後に「人間社会は様々な困難を乗り越えて参りました。今回も人間の英知を結集して難問を乗り越えて、私たちの名誉を回復してください」と言って、ゆっくり立ち上がり、湖へ向かって歩きだした。
唖然として言葉を失い少女を見つめるだけの私たちに、彼女はガウンのボタンを外して私たち5人に手渡してくれた。ダイヤモンドでできた小さなボタンだった。「私と会った記念にさしあげます」と彼女はにっこり笑うと、来たときと同じように湖上をすべるような足取りで、沖へ向かって歩きだし、やがて小さな影になり、私たちの視界から消えてしまった。
この間、私たちは金縛りにあったように体を動かすことができず、彼女が消えていった方角をただ目で追っていただけだった。
「炭素姫はどこにいってしまったのだろうか」
仲間の誰かが叫んだ。
この時から私たちは、彼女のことを炭素姫と呼ぶようになった。


「みなさん、大丈夫ですか」
私たちを探すガイドの声で、私たちは我に返った。
すでにエメラルドグリーンの湖はどこかに消えてしまっていた。洞穴から這い出してきた私たちを見つけると、ガイドは明るい声で、
「雨は上がりました。ボートも無事です。これからビレッジに戻りましょう」
私たちは神樹の洞穴の中で別世界に迷い込み、炭素の化身である少女と遭遇した。一緒にいた時間は雷雨がやむまでのわずか2時間足らずに過ぎなかったようだが、何時間も、いや1日以上も彼女と一緒に過ごしていたような気がする。そこでの体験は、夢の中の出来事のようにも思えるし、他人に話したところで、とても信用してもらえないだろう。夕日を浴びて輝く5つのダイヤモンドのボタンだけが、私たちの体験が夢ではなく、現実に起こった出来事であることを示す唯一の証拠として残った。私たちは帰りのボートの中で、沈黙したままそれぞれの思いに浸ったままでビレッジに戻った。

炭素姫を救うのは誰か

翌朝7時、私たちはロッジのロビーで朝食をとった。実はそれまで私たちはまったく面識がなかったのである。旅行会社のエコツーリズム・パック旅行に応募して、成田空港で初めて顔を合わせただけの関係だった。
昨日、炭素姫との出会いという異常体験を共有したことで、私たちの連帯意識というのか仲間意識と言った方がよいのか、お互いの関係が一気に深まったような気がする。私も過去何度かこのようなパック旅行に参加したことがあるが、互いに名前を名乗るだけの簡単な紹介に止め、それ以上深入りすることはなかった。成田空港で解散するともう同行者との関係は一切断ち切られた。
だが、今度は違った。炭素姫との不思議な時間を共に過ごしたことで、一晩寝た後、「炭素姫の願いをなんとかかなえてあげたい」との思いが、呪文にかかったように、各人の頭の中にインプットされ、封印されてしまったようだ。普通の人間である私たちにできることなど高が知れている。それでも力を合わせてなにかやってみよう、そで触れ合うも、多少の縁というではないか。

自己紹介

朝食を一緒にとりながら、私たちは、まず簡単な自己紹介をすることになった。
言い出しっぺの私がまず口火を切った。
「宇沢寛次、65歳です。新聞記者勤務の後、大学に移り、環境経済学を教えています」
右回りで自己紹介がはじまった。
「和田ハルカ、大学3年生でーす。大学ではごみ拾いや禁煙キャンペーンなどを仲間とやっています。ムダが嫌いでーす」
「大倉完良です。財務省勤務です。主計官をやっています。35歳、名前がオオクラカンリョウなので、誰からも一度で覚えてもらえます。環境問題に関心があります」
「湯川雫です。家電メーカーで、広報を担当しています。年齢は内緒。20代後半といっておきます。結婚歴あり、今はシングル、自然大好き人間です」
「野口一郎です。環境NGOで、小水力発電の普及に取り組んでいます。 四捨五入すると40歳ですが、独身暮らしを楽しんでいます」
自己紹介が終わったことで、お互いの親密さが一段と深まった感じがした。皆、東京かその周辺に住んでいることも分かった。
「日本に帰ってから炭素姫救援隊の発会式をしましょう」
年長の私がこう締めくくった時、ガイドがやってきた。
「今日は、ボルネオ象が見られるかもしれません」
私たち一行は、ワクワクしながら、ボートに乗り込んだ。今日も真夏の太陽が容赦なく私たちの顔や腕に突き刺さってくるだろう。

炭酸カルシウム:たんさんカルシウム

(calcium carbonate)火力発電所、精錬所などで発生する硫黄酸化物を中和して無害化するために公害防止用の材料として世界的に広く使用されている鉱物。天然には石灰石(CaCO3)として産出される。主として、セメント原料あるいは鉄鋼原料として利用されている。

特になし

光合成:こうごうせい

植物が光のエネルギーによって大気中の二酸化炭素と水から有機物である炭水化物を合成すること。これによって二酸化炭素は固定され、酸素が発生する。光合成細菌の場合、光エネルギーによって二酸化炭素の固定を行うが、酸素は発生しない。1年間に地球上の陸上植物が光合成により固定する炭素の量は約 5.5× 1010トンで、海洋植物によるものが約 3.5× 1010トンと推定されている。

特になし

天然ガス:てんねんガス

(natural gas)噴出する有機ガスのうちの、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどを含む可燃性ガスで、化石燃料である。産地が中東だけでなく、世界各地に豊富に存在しているので、リスク分散が図れる。自動車、火力発電所などの燃料や都市ガスの原料に利用され、燃焼したときの二酸化炭素排出量は石油より少ない。当初は気体のまま国産の天然ガスを使っていたが、石油や石炭に比べて燃焼したときの二酸化炭素の排出量が少ないことから、環境負荷の少ないエネルギーとして注目され、液化天然ガス LNG (Liquefied Natural Gas)を輸入し、天然ガス自動車、コジェネレーションも増加し、二酸化炭素の排出量が少しでも減る事が期待されている。

コジェネレーション

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

地球温暖化:ちきゅうおんだんか

地球表面の温度が二酸化炭素などの温室効果ガスの増加により上昇していく現象。IPCC の第三次報告書では 2100年までに気温は 1.4℃から 5.8℃上昇すると結論付けている。地球の気温が上昇する原因は、人間活動から排出される二酸化炭素、メタンなど温室効果ガスが大気中で増加したためとされる。温室効果ガスの排出量増加とともに、二酸化炭素の主要な吸収源である熱帯雨林の減少が二酸化炭素の増加に拍車をかけている。気温の上昇による地球環境への影響は、海水面の上昇、異常気象の頻発や生態系の変化などが考えられ研究が進められている。また、人間活動においても、マラリアの拡大や農作物の収穫量の減少、国土の消滅など計り知れない影響が懸念されている。主要な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目標として 1997年に京都で開催された COP3において温室効果ガス削減のための数値目標を定めた京都議定書が採択され、 2005年のロシアの批准により発効した。日本は 6%の削減目標の達成を目指し、地球温暖化対策推進大綱を制定し削減を進めている。

温室効果ガス、京都議定書、二酸化炭素、チームマイナス 6%、 COP3、 IPCC

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

地球サミット:ちきゅうサミット

(UNCED)(United Nations Conference on Environment and Development)国連人間環境会議から 20周年目にあたる 1992年 6月、ブラジルのリオデジャネイロで開催された世界最大級の国際会議。正式名称は「環境と開発のための国連会議」。南北間で生じる環境と開発に関する対立を、どうしたらこえられるかのか。この問いかけに対する思想的な枠組みが提唱され、その規範として「持続可能な開発」という概念が共有された。会議には、 182カ国の政府代表および EC (現在の EU)、 103カ国の首脳、多数の国際機関、 NGO や産業界代表が参加した。NGO 主催のフォーラムや先住民世界会議、多様なシンポジウムや環境技術展示会などが並行して開催され、報道関係者をあわせると、数万人規模の人々がリオに集った。持続可能な開発に向けた地球規模での新たなパートナーシップ構築に向けたこの会議で、 27の原則から成る「環境と開発に関するリオデ宣言(リオ宣言)」と、この宣言の諸原則を実施するための行動計画である「アジェンダ 21」、そして、「森林原則声明」が合意された。また、「気候変動枠組条約(地球温暖化防止条約)」と「生物多様種護条約」への署名も開始された。

ストックホルム国連人間環境会議

UNCED:ユー エヌ シー イー ディー

特になし

ちきゅうサミット【地球サミット】

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

地球温暖化:ちきゅうおんだんか

地球表面の温度が二酸化炭素などの温室効果ガスの増加により上昇していく現象。IPCC の第三次報告書では 2100年までに気温は 1.4℃から 5.8℃上昇すると結論付けている。地球の気温が上昇する原因は、人間活動から排出される二酸化炭素、メタンなど温室効果ガスが大気中で増加したためとされる。温室効果ガスの排出量増加とともに、二酸化炭素の主要な吸収源である熱帯雨林の減少が二酸化炭素の増加に拍車をかけている。気温の上昇による地球環境への影響は、海水面の上昇、異常気象の頻発や生態系の変化などが考えられ研究が進められている。また、人間活動においても、マラリアの拡大や農作物の収穫量の減少、国土の消滅など計り知れない影響が懸念されている。主要な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目標として 1997年に京都で開催された COP3において温室効果ガス削減のための数値目標を定めた京都議定書が採択され、 2005年のロシアの批准により発効した。日本は 6%の削減目標の達成を目指し、地球温暖化対策推進大綱を制定し削減を進めている。

温室効果ガス、京都議定書、二酸化炭素、チームマイナス 6%、 COP3、 IPCC

締約国会議:ていやくこくかいぎ

(COP)締約国会議(Conference of Parties)の頭文字であり、生物多様性 COP-CBD (Convention on Biological Diversity)など条約ごとに締約国会議があるが、 COP-FCCC (Conference of the Parties to the Framework Convention on Climate Change)を略して COP 「コップ」と呼ぶ。2004年にロシア連邦が批准し 2005年 2月 16日に発効したが、アメリカとオーストラリアは気候変動枠組条約の締約国だが、京都議定書の締約国となっていない。2005年 11月〜12月にカナダのモントリオールにて行われた第 11回気候変動枠組条約締約国会議(COP11)は、京都議定書の第一回締約国会合であったので COP/MOP (Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties)と呼ばれ、「締約国会合として機能する締約国会議」という意味である。1995年にベルリンで COP1が開催され、 1997年に京都で開催された COP3で、京都議定書が採択された。最近では COP12・ COP/MOP2が 2006年 11月にケニアで行われ、次回 COP13・ COP/MOP3(2007年 12月)は、インドネシアで開催される予定である。

特になし

COP3:シー オー ピー スリー

特になし

コップ 3(COP3)

化石燃料:かせきねんりょう

(fossil fuel)石油、石炭、天然ガスなど地中に埋蔵されている燃料資源の総称で、石油はプランクトンなどが高圧によって変化し、石炭は数百万年以上前の植物が地中に埋没して炭化、天然ガスは古代の動植物が土中に堆積して生成されたものであるという説から化石燃料と呼ばれている。化石燃料は、輸送や貯蔵が容易であることや大量のエネルギーが取り出せることなどから使用量が急増し、これらの燃料は燃やすと二酸化炭素(CO

1次エネルギー、石油、無機起源説

COP:シー オー ピー

(Coefficinet of Perfomance)成績係数。一般的に消費エネルギー効率を COP (Coefficient of Performance)と呼び、エアコンでは冷煖房の能力 W をエアコンの消費電力 W で除して得られる COP 値で表し、自動車のでは燃費と呼ばれ、ガソリン 1_で走る事が出来る距離を表す km/l で表す。その他にもテレビは、平均的に使った場合に一年間に消費する電力量、 kWh/年で表し、ガス石油機器は、熱効率などを元に、各機器別に省エネ法で定められた式により百分率%で表され、パソコンは、省エネ法で定める測定方法により測定した消費電力を複合理論性能で除した値で表される。

イー イー アール(EER)

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

化石燃料:かせきねんりょう

(fossil fuel)石油、石炭、天然ガスなど地中に埋蔵されている燃料資源の総称で、石油はプランクトンなどが高圧によって変化し、石炭は数百万年以上前の植物が地中に埋没して炭化、天然ガスは古代の動植物が土中に堆積して生成されたものであるという説から化石燃料と呼ばれている。化石燃料は、輸送や貯蔵が容易であることや大量のエネルギーが取り出せることなどから使用量が急増し、これらの燃料は燃やすと二酸化炭素(CO

1次エネルギー、石油、無機起源説

地球温暖化:ちきゅうおんだんか

地球表面の温度が二酸化炭素などの温室効果ガスの増加により上昇していく現象。IPCC の第三次報告書では 2100年までに気温は 1.4℃から 5.8℃上昇すると結論付けている。地球の気温が上昇する原因は、人間活動から排出される二酸化炭素、メタンなど温室効果ガスが大気中で増加したためとされる。温室効果ガスの排出量増加とともに、二酸化炭素の主要な吸収源である熱帯雨林の減少が二酸化炭素の増加に拍車をかけている。気温の上昇による地球環境への影響は、海水面の上昇、異常気象の頻発や生態系の変化などが考えられ研究が進められている。また、人間活動においても、マラリアの拡大や農作物の収穫量の減少、国土の消滅など計り知れない影響が懸念されている。主要な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目標として 1997年に京都で開催された COP3において温室効果ガス削減のための数値目標を定めた京都議定書が採択され、 2005年のロシアの批准により発効した。日本は 6%の削減目標の達成を目指し、地球温暖化対策推進大綱を制定し削減を進めている。

温室効果ガス、京都議定書、二酸化炭素、チームマイナス 6%、 COP3、 IPCC

京都議定書:きょうとぎていしょ

(Kyoto Protocol) 1997年 12月、京都で開催された COP3で採択された気候変動枠組条約の議定書。2004年にロシアが署名して発効要件を満たし、 2005年 2月 16日に発効した。日本は 1998年 4月 28日に署名、 2002年 6月 4日に批准した。気候変動枠組条約第 3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議)は、 161の国や地域が参加して京都で開催され、先進締約国に対し、 2008〜12年の第一拘束期間における温室効果ガスの排出を 1990年比で、 5.2%(日本 6%、アメリカ 7%、 EU8%)削減することを義務付けている。また、削減数値目標を達成するために、京都メカニズム(柔軟性措置)が導入された。しかし、 2000年に最大排出国である米国(36.1%)が経済への悪影響と途上国の不参加などを理由として離脱。結局、京都議定書は、アメリカとオーストラリア抜きで発効した。

特になし

COP3:シー オー ピー スリー

特になし

コップ 3(COP3)

COP:シー オー ピー

(Coefficinet of Perfomance)成績係数。一般的に消費エネルギー効率を COP (Coefficient of Performance)と呼び、エアコンでは冷煖房の能力 W をエアコンの消費電力 W で除して得られる COP 値で表し、自動車のでは燃費と呼ばれ、ガソリン 1_で走る事が出来る距離を表す km/l で表す。その他にもテレビは、平均的に使った場合に一年間に消費する電力量、 kWh/年で表し、ガス石油機器は、熱効率などを元に、各機器別に省エネ法で定められた式により百分率%で表され、パソコンは、省エネ法で定める測定方法により測定した消費電力を複合理論性能で除した値で表される。

イー イー アール(EER)

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

GHG:ジー エイチ ジー

特になし

おんしつこうかガス【温室効果ガス】

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

原油:げんゆ

(crude oil)黒くて粘り気のある液体で、産地によって異なるが、さまざまな分子量の炭化水素の混合物で水より軽いため、輸送中のタンカー事故など出流出した場合は、海面に広がる。油田から採掘した後、ガス、水分、異物などを除去した原油は、更に精製されて石油やナフサが得られる。石油やナフサからは、ガソリンや灯油をはじめとした様々な燃料や材料が得られる。

化石燃料、石油、ナフサ

天然ガス:てんねんガス

(natural gas)噴出する有機ガスのうちの、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどを含む可燃性ガスで、化石燃料である。産地が中東だけでなく、世界各地に豊富に存在しているので、リスク分散が図れる。自動車、火力発電所などの燃料や都市ガスの原料に利用され、燃焼したときの二酸化炭素排出量は石油より少ない。当初は気体のまま国産の天然ガスを使っていたが、石油や石炭に比べて燃焼したときの二酸化炭素の排出量が少ないことから、環境負荷の少ないエネルギーとして注目され、液化天然ガス LNG (Liquefied Natural Gas)を輸入し、天然ガス自動車、コジェネレーションも増加し、二酸化炭素の排出量が少しでも減る事が期待されている。

コジェネレーション

原料炭:げんりょうたん

(coking coal, process raw coal)製鉄の際に使われるコークスの原料となる石炭のことで、製鉄においてコークスは高炉内での還元剤として使われ、る。原料炭と一般炭と無煙炭による三種類に分けることができ、原料炭とはおもに製鉄用のコークスや都市ガス製造(ガスを取ったあとにコークスが残る)、石炭化学工業の原料に使われ、一般炭はスチームなどの二次エネルギーを作り、暖房火力などの火力として用いられ、無煙炭は最も炭化が進んでいるため煙が少なく、かつては蒸気船や汽車などに利用され、現在では練炭などの成型炭に使われている。原料炭は粘結性があるためボイラー用としては不向きである。

特になし

化石燃料:かせきねんりょう

(fossil fuel)石油、石炭、天然ガスなど地中に埋蔵されている燃料資源の総称で、石油はプランクトンなどが高圧によって変化し、石炭は数百万年以上前の植物が地中に埋没して炭化、天然ガスは古代の動植物が土中に堆積して生成されたものであるという説から化石燃料と呼ばれている。化石燃料は、輸送や貯蔵が容易であることや大量のエネルギーが取り出せることなどから使用量が急増し、これらの燃料は燃やすと二酸化炭素(CO

1次エネルギー、石油、無機起源説

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

地球温暖化:ちきゅうおんだんか

地球表面の温度が二酸化炭素などの温室効果ガスの増加により上昇していく現象。IPCC の第三次報告書では 2100年までに気温は 1.4℃から 5.8℃上昇すると結論付けている。地球の気温が上昇する原因は、人間活動から排出される二酸化炭素、メタンなど温室効果ガスが大気中で増加したためとされる。温室効果ガスの排出量増加とともに、二酸化炭素の主要な吸収源である熱帯雨林の減少が二酸化炭素の増加に拍車をかけている。気温の上昇による地球環境への影響は、海水面の上昇、異常気象の頻発や生態系の変化などが考えられ研究が進められている。また、人間活動においても、マラリアの拡大や農作物の収穫量の減少、国土の消滅など計り知れない影響が懸念されている。主要な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目標として 1997年に京都で開催された COP3において温室効果ガス削減のための数値目標を定めた京都議定書が採択され、 2005年のロシアの批准により発効した。日本は 6%の削減目標の達成を目指し、地球温暖化対策推進大綱を制定し削減を進めている。

温室効果ガス、京都議定書、二酸化炭素、チームマイナス 6%、 COP3、 IPCC

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

生物圏:せいぶつけん

(biosphere)大気圏、水圏、地圏(岩石圏)から成る地球の、生物が棲んでいるごく表層の領域を指す。たとえ、胞子のようなかたちで生存することが可能な場所、すなわち高山や土壌および地下水中、深海までを、その領域としたとしても、その層の厚さはたかだか 20km に満たない。生物圏が空間的に制約を受けるのは、生物が液体の水と光合成のための太陽光を必要とするからである。太陽光が届かない深海においては光合成の産物である有機物の移動が欠かせない。

特になし

IPCC:アイ ピー シー シー

(Intergovernmental Panel on Climate Change)気候変動に関する政府間パネル。気候変動枠組条約(UNFCCC)の交渉を科学的に裏付ける組織として、大きな影響力を持ち、 5〜6年毎に全世界で数千人の科学者が参加して、その時々の気候変動に関する科学的知見をとりまとめた「IPCC 評価報告書」の発表を行っている。これまで 1990年、 1995年、 2001年に評価報告書を発表し、現在は、 2007年の発表に向けて第 4次評価報告書: Fourth Assessment Report (AR4)が作成されている。1988年に世界気象機関 (WMO)と国連環境計画 (UNEP)の協力により設立された。

気候変動枠組条約(UNFCCC)

温暖化:おんだんか

特になし

地球温暖化

エコツーリズム:エコツーリズム

(Eco-Tourism)自然環境や文化などに負担をかけずに旅行をすること。地域固有の歴史文化を保持しながら、地域振興への貢献を目的とする、持続可能な旅の新しいかたち。エコツーリズムの考え方は、 1980年代に国連環境計画(UNEP)、国際自然保護連合(IUCN)、世界自然保護基金(WWF)が、「世界環境戦略」の中で、「持続可能な開発」を提唱したことに端を発する。先進国の「マスツーリズム」が、発展途上国の自然環境などに負荷を与えていることが指摘され、それに対峙する概念として「エコツーリズム」が生まれたのである。もともと発展途上国の自然保護のための資金調達手法として導入されたエコツーリズムは、自然志向の強まる旅行者のニーズを満たしながら、環境と経済を両立させる持続可能な観光の領域のひとつとして、広く先進国でも展開されている。日本でも 2003年 11月、「エコツーリズム推進会議」が新設され、知床、白神、富士山、南紀・熊野、屋久島など 13カ所のエコツーリズム推進モデル地区が選定されるなど、エコツーリズムの普及と定着が図られている。世界遺産や環境問題への関心の高まりをうけて、旅行会社が催行する自然・文化体験型の、エコツアーも増加傾向にある。身近な小川の生態、郷土の歴史、文化、伝統などを地元のガイドとともに学びながら旅する、新しい旅のかたちも生まれている。

グリーンキー

NGO:エヌ ジー オー

(Non-Government Organization)非政府組織。民間団体。もともと、国連で使われていた用語で、政府の代表ではない民間団体を意味している。政府間の協定によらない民間団体のことで、国連経済理事会との協議資格を認められた団体を指す。その活動は主に、政府主体の国際会議への出席や、軍縮・人権・地球環境保全など、国境や国家の政策を超えたグローバルな問題における市民間の相互協力に重点が置かれた。最近では、協議資格の有無に関係なく、非営利で非政府という NPO 的な市民団体全般を指すこともある。日本では、単に国際的に活動する民間非営利組織を NGO と呼んでいる。

NPO

 
 
 
©2012 tadahiro mitsuhashi